24時間看護師常駐 【カイロス・アンド・カンパニーのホスピス住宅】

045-323-9030

月曜〜金曜(土日祝休)10:00〜17:00

どんな方が入居できるの?

ファミリー・ホスピスでは、以下の疾患に対応しています。

・末期の悪性腫瘍

・多発性硬化症

・重症筋無力症

・スモン

・筋萎縮性側索硬化症

・脊髄小脳変性症

・ハンチントン病

・進行性筋ジストロフィー症

・パーキンソン病関連疾患 ※1

・多系統萎縮症 ※2

・プリオン病

・亜急性硬化性前脳炎

・ライソゾーム病

・副腎皮質ジストロフィー

・脊髄性筋萎縮症

・球脊髄性筋萎縮症

・慢性炎症性脱髄性多発神経炎

・後天性免疫不全症候群

・頸椎損傷

・人工呼吸器を使用している状態

※1・・・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度が度又はⅢ度のものに限る。

※2・・・線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群

自分らしい生活と願いを実現する

ファミリー・ホスピスでは、ご利用者様に「自分らしく」「自由に」生活していただくことができるよう、医療・ケアの方針について丁寧に話し合い、「らいふプラン」を策定しています。

近年、住み慣れた自宅や介護施設などで看取りを行うことがますます求められるようになっています。そのような中、平成30年度の診療報酬と介護報酬同時改定の基本方針として、「国民の希望に応じた看取りの推進」が掲げられました。そして、その基本方針の中には「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の普及も含まれています。

「人生の最終段階における医療」のあり方については、昭和62年以降、厚生労働省において検討が重ねられてきました。そして、国民や患者、および医療従事者に広く理解を促し、この段階における医療をより良くしていくために、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」の初版が策定されたのが、平成19年5月のことでした。そして平成27年3月、最期まで本人の生き方(=人生)を尊重し、医療・ケアの提供について検討することが重要であるという考えのもと、ガイドラインの名称の一部が「終末期医療」から「人生の最終段階における医療」に変更されました。平成30年3月には、高齢多死社会の進行に伴って、地域包括ケアシステムの構築が進み、在宅・施設における療養や看取りのニーズが増加していることを踏まえて、ACP(アドバンス・ケア・プランニング:人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス)の概念が盛り込まれた「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」として改訂されました(表)。今後、医療・介護の現場においては、このガイドラインの更なる普及が求められるようになるでしょう。

ファミリー・ホスピスでは、ご利用者様に対して「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を基にしたサービスの提供を行うのはもちろんのこと、このガイドラインを含んだ「らいふプラン~ハンドメイドによる自分らしい生活の実現~」の作成を行っています。ファミリー・ホスピスにご入居された方々には、型にはめられた生活ではなく、「自分らしく」「自由に」願いを叶える生活をしていただきたいという思いのもと、医療と生活支援の専門家がパートナーとなり、ご利用者様の自分らしい人生設計を共に考え、実現するための環境を整えていくプロセスを設けております。

具体的には、入居のお問い合わせをいただいた時から、どこでどのような療養生活を送り最期を迎えたいのかをお尋ねし、叶えたい願い(想い)を伺い、ご利用者様の体調を踏まえたうえで「らいふプラン」を作成していきます。「らいふプラン」は“日常生活(医療保険・介護保険が活用できる部分)”と“非日常生活(自費サービスの部分)”に分けて考えていきます。プランに沿った医療・ケアを提供しながら、ご利用者様が自分らしく生活できているかを定期的に評価し、修正しながら実践しています。当然、本人の意思は変化しうるものということを前提にしています。また、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性も想定し、医療・ケアの方針について事前に話し合いを繰り返しています。

例として、これまでにご入居された利用者様の願いを紹介します。“日常生活”では、「痛みなどの様々な症状を和らげてほしい」「お寿司を食べたい」「最期まで自分でトイレに行きたい」などが、“非日常生活”では、「箱根のホテルに泊まりに行きたい」「お墓参りに行きたい」「富士山を見に行きたい」などが挙げられ、皆さんそれらの願いを叶えることができました。

ファミリー・ホスピスに入居された方の入居期間は平均45日(そのうちの半数は30日以内のご逝去)であり、自分らしい生活や願いを実現するための時間はとても短いのが現状です。(※平成29年度)そのような中でも、できる限りお一人お一人の「らいふプラン」を実現するべく、日々努力をしています。

神経難病に必要な「非がんの緩和ケア」

~私たちが実践している支援~

神経難病のリハビリとは

皆さんは神経難病に対するリハビリテーションについてどのようなイメージをお持ちでしょうか?「拘縮予防のための関節可動域の維持」「疼痛軽減のためのマッサージ」などの受動的なイメージや、「訓練しても改善しないから無意味」などといった消極的なイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし神経難病の患者さんにとって、リハビリは身体機能の維持だけに留まらない、欠かせないものです。

残念ですが、多くの神経難病は効果的な治療方法の確立に至っていません。疾患の多くは進行性であり、身体機能は徐々に低下していきます。比較的経過が長いことも重なり、介護・医療依存度が非常に高いのが特徴です。

例えば、上肢の筋力低下や嚥下障害によって食事摂取量が減少し、低栄養状態となる患者さんを私たちはしばしば目にします。体重の減少は病状の進行を早めてしまう場合もあるので、食形態の見直し・栄養補助食品の導入・補装具による代償・経管栄養の検討などが必要となり、多職種によるチームアプローチが求められます。

また、神経難病の進行期には球麻痺による構音障害が出現することも多く、コミュニケーション能力の著しい低下も見られます。私は難病の方のケアに携わってきて、ご本人が何に困っていて何を希望しているかを介助者と共有し、一緒に解決していくことが最も大事なポイントだと考えています。そのために、透明文字盤や意思伝達装置を使用した関わりも必要になってきます。

意思伝達装置 各種車いすのご紹介

神経難病の緩和ケア

前述のように、難病の療養生活を快適に送るためにお手伝いできることが、リハビリテーションの部門には非常に多く存在します。実際には、それぞれの身体状況に応じた個別的対応が必要であり、病期の進行を見通した介入やアプローチが重要となってきます。このため可能な限り病初期よりリハビリ介入することが必要になってきます。またリハビリの訓練時間だけでなく、日常生活でリハビリの観点を活かした関わりが継続的に行えるよう、看護・介護部門と連携し環境を整えることも重要な仕事となります。

難病リハビリテーションは専門性の高いものだと思われがちですが、最も大切なポイントは「患者さんと共に難病に向きあうこと」だと感じます。そのために行うすべての事柄が、神経難病に対する緩和ケアなのです。

これまでファミリー・ホスピスでは、がんの患者さまを中心とした緩和ケアに取り組んでまいりました。今後は神経難病に対する緩和ケアすなわち「非がんの緩和ケア」にも積極的に取り組んでまいります。これまでの経験を活かし、神経難病患者さんが安心して生活できる療養環境を目指してまいります。